世田谷区の待機児童数0という発表についての雑感

世田谷区の待機児童数0という発表についてですが、私の雑感としては限りなく黒に近いグレーの印象です。所管とも話したわけですが、正直上手く言語化出来る気がしないのですが、ざっとかいていきます。今年度から変わった点があり、過去の指摘した内容で、私の指摘で昨年度から申請方法が変わりました。

2019年2月21日に議場にての発言の簡易版です。
この季節になると保育園に入れなかった親御さんからの相談が後を絶ちません。やはり本当に入れないと死活問題の家庭には入れるようにすべきだと思っていますし、拡充策を考えていくべきだと思います。

一方で保育園に落ちたいと思っている親がいるということも現実にあるということをしっかりと行政として把握した上の対応策を講じるべきと思っています。

国は育児・介護休業法を改正し、原則子供が一歳までの育休を、保育所へ入れなかったなどの場合に延長できる期間が「一歳半まで」から「二歳まで」に拡大した結果、保育園に入園できない場合は仕事を辞めずに育休を延長することができます。一方、さらに育休を延長したい保護者は、保育園に再度申し込み、内定を辞退するなど、辞退者を増やすきっかけにもなりました。

会社に育休申請するにあたって、とりあえず申し込まないといけない。
不承諾通知が欲しいという贅沢な悩みもある。これもまた保活の一面です。

世田谷区ではいくつでも保育園を申し込める状況で、1園しか申し込まない確信犯的な方も多くいると聞いています。
その結果、昨年4月には500人以上の辞退者が出てしまっています。
様々な事情から内定を辞退されるとは思いますが、仮に育児休業の延長を理由に辞退した保護者がいた場合、その保護者が最初から入園選考にエントリーしていなければ、本当に保育園に入りたかった別の保護者が入園出来ていたことになります。

また、辞退により認可保育園に空きが出れば、認証保育所等(認可外保育施設)に内定していた保護者が認可保育園に入園してしまい、その結果、認証保育所等は保育士を確保していたのに園児が入園せず、経営自体が悪化していくというスパイラルに陥ってしまうとも聞いています。

受付時など選考前に育休延長の希望の有無を確認し、延長目的と分かれば「選考対象から外す」「保育の必要性を示す点数を下げる」などして入所が決まらないようにして、不承諾通知は発行するべきではないでしょうか。

以上が過去の発言で、
保育園申し込みにあたり記載できるようになりました。

今年度のあらゆる保育事業の定員数はR2.4で20462人と前年より802人増と毎年同じぐらいの規模で増やしています。

で、これまでは4月1日にかなりの辞退者が出ており、育休申請をとるために辞退目的で申し込む必要がありました。これは制度上の過失であり、育休希望の申請者に対して思う事はありませんので。この制度を直してくれよと思うわけですが、世田谷区にはそんな権限があるわけではないのでとりあえずここでは置いときます。

今回から育休による辞退者が328人という事で、これまでは500人程度辞退されている中で、聞いている限り500人中100人程度が育休申請に基づいた辞退者予想との事でしたので、私も驚きました。
この辞退者の数字がなぜ辞退したのかがクリアになったために、これまで待機児童数に加算されていたものを抜く事ができ、大きく数字が減る事になりました。今年度総括して保育施策の方針をあらためて練り直すタイミングだったので、このリアルな数字を把握できたのは大きい事だと認識しています。

でも保育園落ちましたよ、何で0人発表なのでしょうか、という声もあろうかと思います。所管から出ている資料をもとにかいていきますが、自宅から30分未満(半径2km以内)で登園可能な距離の特定教育・保育施設等に空きがありながら入所出来ていない児童数が474人。これは前年度までも引いて発表されていて、他諸々細かくあるのですが、結論は474人の方が保育園に入れていないお子さんです。
冒頭で申した通り、黒に近いグレーです。

実際には入れていないけど、制度設計で0人ということになります。極論、暴論になり申し訳ありませんが、距離を加味しない限りどこかに入れるという算定で0人という根拠になっています。これを待機児童0人と公表して良いものなのか、というのは所管と話しはしました。半径2kmはそれなりに距離があると思いますし。

この間の全国ワースト1で入れるならどこでもいいから入りたいという声があった世田谷区ですが、正直事情が変わってきているのも事実です。保育園側も立地やサービス等のように選ばれる側に変移し始めました。地域特性も多少ありますが、この大きい世田谷区でも全体でも見ても偏っていない現状です。

また0歳から2歳クラスが入れないという声が大きかった数年前でしたが、需要が変わり372人もの欠員が生じており、この中245人が1歳児とアンバランスな構造が生まれてしまっています。